帯状疱疹ワクチンが定期接種になりました

令和7年度より、帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されました。帯状疱疹の発症を予防し、合併症のリスクを減らすための大きな一歩になります。

帯状疱疹とは？

水ぼうそうにかかったことがあると、体の中には水痘帯状疱疹ウイルスが潜んでいます。通常は、ウイルスは潜んでいるだけなのですが、抵抗力が落ちたときに再活性化して帯状疱疹を発症します。通常は神経に沿って体の片側に帯状に痛みを伴う水ぶくれが出現します。

主な合併症のひとつとして「帯状疱疹後神経痛」があり、皮膚の症状が治った後も長期間にわたり痛みが続くことがあります。痛みが何年も続き、重症化して日常生活に支障をきたす場合もあるため、予防が大切なのです。

定期接種の対象者

以下の方々が定期接種の対象となります：

使用するワクチンと接種方法

帯状疱疹ワクチンには、以下の2種類があります。

1. 生ワクチン

o 皮下注射で1回接種します。

生ワクチンは、弱毒化されたウイルスを使用しているため、免疫抑制剤や抗がん剤治療を受けている方や白血病、リンパ腫などの血液疾患を抱えている方など免疫機能が低下している場合には接種できません。

2. 不活化ワクチン

o 筋肉内注射を2回接種します。

o 通常は2か月以上の間隔を置いて接種します。ただし、免疫機能が低下している方は医師の判断により接種間隔を1か月まで短縮可能です。

不活化ワクチンは、生ワクチンと異なり、免疫の状態によらず接種可能です。

接種費用

以下の自己負担額で接種を受けることができます：

1） 生ワクチン：4,500円

2） 組換え(不活化)ワクチン（1回につき）：11,000円

接種費用は医療機関窓口でお支払いください。生活保護世帯の方は接種費用免除制度を利用できます。市役所社会福祉課で「接種費用免除承認書」を受領し、医療機関窓口へ提出してください。

ワクチンの効果

帯状疱疹ワクチンは高い予防効果があることが示されています。

1）生ワクチンは、健康な高齢者に対する帯状疱疹の発症率を約51％減少させるとされています。また、帯状疱疹後神経痛のリスクを約67％減少させます。効果は接種後約5年間持続するとされています。

2）不活化ワクチンは、帯状疱疹予防においてさらに高い効果が期待され、帯状疱疹後神経痛を予防する能力も優れています。特に接種後5年間は高い予防効果が維持され、さらに効果は接種後10年以上持続することが確認されています。

接種を検討される方は、医師と相談の上で適切なワクチンを選択してください。

定期接種の開始により予防の機会が広がりました。対象となる方は、ぜひ早めに接種を検討してください。

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